ハンセン病に関する正しい知識の普及について

 標記について平成15年11月19日付けで厚生労働省から次のとおり通知がありました。
 平成8年3月31日付け健医第110号厚生事務次官通知や「ハンセン病を正しく理解する週間」の実施等を通じ、ハンセン病に関する正しい知識の普及による、いわれなき差別や偏見の解消をお願いしているところでありますが、今般、熊本県において、ハンセン病療養所の入所者がホテルの宿泊を拒否されるという極めて遺憾な事例が発生いたしました。
 ハンセン病については、飲食や入浴などの日常生活を通じて感染するものでなく旅館業法第5条第1号及び公衆浴場法第4条にいう「伝染病の疾病」には該当しません。
 この点について改めて営業者への周知指導・監督方お願いするとの通知がありました。
 このことについて我々滋賀県喫茶飲食業生活衛生同業組合員は、このような事案が発生しないよう、従業員にも徹底し一層のご尽力をお願い申し上げます。


■ハンセン病とは

 ハンセン病は、飲食や入浴等の日常生活を通じて感染するものではなく、旅館業法第5条第1号および公衆浴場法第4条でいう「伝染性の疾病」には該当しません。
 ハンセン病は、かつて「らい病」と呼ばれていました。
 そして、同じ家族に患者が現れることが多く、潜伏期間が長いことなどから遺伝病と誤解されていました。
 しかし、ハンセン病は感染力の極めて弱い病原菌である「らい菌」による慢性の感染症です。慢性化すると皮膚や末梢神経が侵されますが、1943年以降、有効な治療薬が開発されたことにより確実に治療ができるようになりました。
 現在、全国で約3,800名の人達が、13カ所の国立療養所と2カ所の私立療養所に入所されています。
 入所者のほとんどは、ハンセン病は治っており、身体障害などの後遺症のため療養生活を送っておられますが、ふるさとへの里帰りやリクリェーション、趣味を楽しんでおられます。
 平成8年4月に「らい予防法」が廃止されましたが、誤った知識による差別、偏見が根強く存在しています。
 平成13年5月、ハンセン病患者の人としての尊厳回復のための裁判で原告勝訴の判決があり、政府は控訴しないことを決定し、これまでの入所政策の過ちを認めました。
 現在の療養所は、安心で快適な療養生活が送れるよう施設整備が進み、かつてハンセン病を病んだ人達をお世話する医療福祉施設として運営されています。