ハンセン病は、飲食や入浴等の日常生活を通じて感染するものではなく、旅館業法第5条第1号および公衆浴場法第4条でいう「伝染性の疾病」には該当しません。
ハンセン病は、かつて「らい病」と呼ばれていました。
そして、同じ家族に患者が現れることが多く、潜伏期間が長いことなどから遺伝病と誤解されていました。
しかし、ハンセン病は感染力の極めて弱い病原菌である「らい菌」による慢性の感染症です。慢性化すると皮膚や末梢神経が侵されますが、1943年以降、有効な治療薬が開発されたことにより確実に治療ができるようになりました。
現在、全国で約3,800名の人達が、13カ所の国立療養所と2カ所の私立療養所に入所されています。
入所者のほとんどは、ハンセン病は治っており、身体障害などの後遺症のため療養生活を送っておられますが、ふるさとへの里帰りやリクリェーション、趣味を楽しんでおられます。
平成8年4月に「らい予防法」が廃止されましたが、誤った知識による差別、偏見が根強く存在しています。
平成13年5月、ハンセン病患者の人としての尊厳回復のための裁判で原告勝訴の判決があり、政府は控訴しないことを決定し、これまでの入所政策の過ちを認めました。
現在の療養所は、安心で快適な療養生活が送れるよう施設整備が進み、かつてハンセン病を病んだ人達をお世話する医療福祉施設として運営されています。
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