コーヒー+「食事」と「運動」
健康で元気な毎日は、バランスが大切
元気の源・コーヒー
穏やかな効き目で、すっきりと目覚めを誘うカフェインは、血流の促進や利尿作用などの働きがあり、珈琲は寒いときには身体を温め、暑いときには暑気あたりを防ぐなど、珈琲には漢方薬にも似たさまざまな健康効果や作用をもつことが知られています。ただし、コーヒーが大好きという人も、体質的に向かない人もあるそうです。昭和大学医学部客員教授の新居裕久先生の研究によると、コーヒーには身体を温め、血圧を上げる働きや利尿作用があることから、コーヒーに向く人は、冷え性や低血圧、むくみのある人だそうです。反対に、あまり飲み過ぎない方がいい人は、胃に潰瘍などの障害がある人、飲むと心臓の鼓動が高まる人、ヘビースモーカーなど。いずれにせよ、大切なことは自分が美味しいと思うコーヒーを、自分にあった量で飲むことでしょうか。何事もほどほどが肝心ですね。
こんな人におすすめ
冷え性・低血圧・むくみ等の症状がある人
こんな人は控えめに
胃に潰瘍がある人・飲むと心臓の鼓動が高まる人・ヘビースモーカー
上手に飲んでダイエット!? 老化も予防
 コーヒーにはエネルギー消費する働きがあります。たとえば、コーヒーを一杯飲むと、2分間程度のジョギングをしたことに相当するエネルギー消費が期待できるとか。もちろん、10杯飲めば20分間のジョギングに相当するかというと、そう単純ではありません。適度な運動とバランスのよい食事が基本ですから、コーヒーは食後や仕事の合間に飲むには最適といえます。特に食後はおすすめで、カフェインが胃液の分泌を促進し、胃腸の調子を整え、さらに脳を刺激して気分も爽快にしてくれます。
 最近、研究者の間で注目されているのは、「老化の予防」と「ガンの抑制作用」。人間の体内にある細胞膜に多く含まれる脂質は酸化しやすく、それが原因となっているのが活性酸素です。この活性酸素は、体内に細菌やウィルスなどの異物が侵入すると攻撃して排除しようとする良い面がありますが、一方で活性酸素が多すぎると細胞膜を酸化させてしまいます。活性酸素が身体のあちこちを攻撃することが、老化やガン発生の原因とも考えられています。人間の身体にある程度は必要で、多すぎるとよくないこの活性酸素を消去する働きがコーヒーにあるといわれています。コーヒーを飲むことで活性酸素の量をバランスよく調整できれば、老化防止やガンの予防にも役立つことが期待されています。
またコーヒーには酸化を抑える効果があり、細胞膜が酸化してできる「過酸化脂質」の抑制にも役立つのでは…と、研究が進められています。
 ちなみに、フランス人の朝食には欠かせない「カフェ・オ・レ」は、絞りたての牛乳は腐敗しやすく、タンパク質が変質してしまうのを防ぐために、牛乳を安全で衛生的にまた飲みやすくするための智恵として生まれたのが、牛乳にコーヒーを入れて飲むという方法だったそうです。「ためしてガッテン」実験室では、牛乳に含まれる活性酸素によって、過酸化脂質の発生する量の違いを、「牛乳」と「コーヒー入り牛乳」で測定。5時間経過後のデータでは、過酸化脂質の量はコーヒー入りに比べてそのままの牛乳はなんと13倍にもなっていたそうです。
おそるべし!!“コーヒーパワー”
<実験協力>日本女子大学食物学科・生物化学研究室 グゥエン・ヴァン・チュエン教授